パーソナルトレーナーがテンポの指導をする理由
静岡市のパーソナルジムに通われている皆様、こんにちは!
今回は、パーソナルトレーナーがトレーニング中にテンポの指導をする理由を説明します。
テンポも色々とありますが、今回は「1秒で上げて、1秒で下ろす」に固定した場合の5つのメリットについて、詳しく解説いたします。
目次
① 筋肥大(筋肉を大きくする効果)が促進される
筋肥大を最大化するためには、筋繊維の破壊を促すことが必要です。筋繊維は、重量による物理的ストレスと負荷を受けている時間(TUT:Time Under Tension)によって破壊されます。
ここでテンポを「1秒で上げて、1秒で下ろす」と一定にすることで、筋繊維にかかる負荷のバランスが非常に良くなります。
例えば、バーベルを持ち上げる際に:
• 1秒で挙げる → 筋肉の収縮を最大化し、瞬発的な力を鍛える。
• 1秒で下ろす → 筋繊維の損傷を促し、筋肥大を引き起こす。
これにより、筋肉が効率よく肥大化し、短期間でボリューム感のある筋肉を作り上げることができます。
② 反動(チート動作)が排除され、筋肉への刺激が純粋化される
筋トレ中に反動(チート動作)を使ってしまうと、本来ターゲットにすべき筋肉ではなく、関節や腱に負荷が逃げてしまうことがあります。
例えば:
• ベンチプレスでバーベルを勢いよく落とす。
• アームカールで体を反らせて挙げる。
• デッドリフトで勢いで引き上げる。
このような勢いを利用する動作は、筋肉への負荷を著しく低下させます。
しかし、1秒で上げて1秒で下ろすテンポを守ることで:
• 反動を完全に排除できる。
• 筋肉だけで負荷をコントロールできる。
• 筋肥大の効率が飛躍的に向上する。
特に初心者や中級者は、テンポを一定にすることで「筋肉で持ち上げる感覚」が身につきます。
③ 神経系(筋力を発揮する能力)が強化される
筋トレにおける筋力の発揮は、筋肉のサイズだけで決まるものではありません。実は「神経系(脳と筋肉を繋ぐ伝達機能)」が非常に重要です。
筋肉を最大限に収縮させるためには、脳からの指令を素早く・正確に伝える必要があります。しかし、動作が速すぎたり、反動を使ってしまうと、この神経系の発達が妨げられます。
ところが、1秒で上げて1秒で下ろすテンポを意識すると:
• 神経系の発達が加速し、より重い重量を持てるようになる。
• 筋肉を「最大限に収縮させる感覚」が養われる。
• 最終的に筋力が飛躍的に向上する。
例えば、ベンチプレスで「1秒で上げて1秒で下ろす」を繰り返すことで、徐々に神経系が鍛えられ、結果的に「より重い重量」を扱えるようになります。
④ 関節・腱への負担が減り、ケガのリスクが大幅に減少する
筋トレにおいてケガのリスクを最小限に抑えることは非常に重要です。特に関節や腱(腱板、膝関節、腰椎など)に過剰な負荷をかけてしまうと、長期間のトレーニング休止を余儀なくされる可能性があります。
動作が速すぎたり、勢いを使うと:
• 関節や腱に大きな負荷がかかる。
• フォームが崩れやすくなる。
• 結果的にケガのリスクが増加する。
しかし、1秒で上げて1秒で下ろすテンポを守ることで:
• 動作を完全にコントロールできる。
• 関節や腱への負担が最小限になる。
• フォームが安定し、ケガのリスクが著しく減少する。
特に、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトなどの高重量種目では、テンポを守ることが関節保護に直結します。
⑤ 筋バランスが整い、身体の歪みを防止できる
筋トレを行う際、特に初心者や中級者では左右の筋バランスが崩れやすい傾向があります。例えば:
• ベンチプレスで右腕だけ強く使ってしまう。
• スクワットで片足に重心が偏る。
• アームカールで利き腕だけ強くなる。
このような筋バランスの崩れは、肩の高さのズレ・骨盤の歪み・姿勢不良などの原因になります。
ところが、1秒で上げて1秒で下ろすテンポを守ると:
• 動作を完全にコントロールできる。
• 左右均等に負荷をかけられる。
• 結果として筋バランスの乱れを防げる。
特にスクワット・ベンチプレス・ショルダープレスなどの左右対称動作では、テンポを一定にすることが非常に重要です。
【まとめ】テンポを一定にすることで得られる5つのメリット
ここまでの内容を簡潔にまとめます。
1. 筋肥大が最大化される
「1秒で上げて1秒で下ろす」ことで、筋繊維の破壊量が最大化し、短期間で筋肥大を促進できます。
2. 反動(チート動作)が排除される
テンポを一定にすることで**反動(チート)**を完全に排除し、ターゲット筋への負荷を最大化できます。
3. 神経系が強化され、筋力が飛躍的に向上する
神経系の活性化が促され、短期間で扱える重量が急激に増えていきます。
4. 関節や腱への負担が減少し、ケガのリスクが減る
関節や腱に無駄な負荷をかけずに済むため、長期間のトレーニング継続が可能になります。
5. 筋バランスが整い、身体の歪みを防止できる
テンポを一定に保つことで左右均等に負荷をかけられ、身体のバランスが整います。
投稿者プロフィール

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MMTパーソナルジム静岡代表
【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト
【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位
【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。
・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。
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