パーソナルトレーナーは、なぜ可動域に拘るのか
静岡市のパーソナルジムに通われている皆様、こんにちは!
筋トレにおける可動域とは、筋肉や関節をどこからどこまで動かすかという範囲のことを指します。例えば、スクワットで「浅くしゃがむ」か「深くしゃがむ」か、アームカールで「腕を途中までしか伸ばさない」か「完全に伸ばしきる」か、これらはすべて可動域の違いです。
可動域を広く使うこと(フルレンジで動かすこと)には筋肥大・関節保護・柔軟性向上などの多くのメリットがあります。しかし、状況によっては限定的な可動域(ハーフレンジ)の方が効果的な場合もあります。
今回は、以下の5つの観点から可動域の重要性について詳しく解説します。

1. 筋肥大を最大化する(筋肉を最も大きくする)
◆ 可動域が狭いと筋肉への刺激が減る
筋トレの最大の目的は、筋肉に強い刺激を与えて成長させることです。しかし可動域が狭いと:
• 筋肉の収縮(縮む動き)が不完全になる。
• 筋肉の伸張(伸びる動き)も不十分になる。
• 結果、筋肥大の効率が著しく低下する。
例えば、スクワットで浅くしゃがむ場合(ハーフスクワット)、主に太ももの前側だけしか刺激されません。しかし**深くしゃがむ場合(フルスクワット)**では、臀部(お尻)やハムストリングス(裏もも)にも強い刺激が入ります。
◆ 可動域を最大限に使うメリット
• 筋肉が最大限に引き伸ばされる(エキセントリック局面)。
• 筋肉が最大限に収縮する(コンセントリック局面)。
• これにより筋繊維が深く傷つき、回復過程で筋肥大が促進される。
つまり、可動域を最大化するほど、筋肉は大きくなりやすいのです。

2. 筋力を最大化する(筋力向上)
◆ 可動域が狭いと「使える筋力」が減る
筋力(筋肉が発揮する力)は、関節の角度によって異なります。可動域を狭くすると:
• 特定の角度だけでしか力を発揮できない。
• 重い重量を扱えても、日常動作やスポーツ動作には応用できない。
例えば:
• スクワットで浅くしかしゃがまない人は、深くしゃがんだ時に力を発揮できなくなります。
• ベンチプレスで半分だけ押し上げる人は、胸の筋力が不十分になります。
◆ フルレンジで鍛えると「実用的な筋力」がつく
可動域をフルレンジ(最大限まで動かす)にすると:
• 全関節角度で筋力を発揮できる。
• 日常動作(立ち上がり・ジャンプ・持ち上げ動作)などにも筋力が活かせる。
• 競技スポーツでも筋力が直接パフォーマンスに反映される。
結果的に、見た目だけでなく「実際に使える筋力」も向上します。

3. 関節や靭帯を強くし、ケガを防ぐ
◆ 可動域が狭いと関節が弱くなる
関節や靭帯(じんたい)は筋肉を支える構造です。可動域を狭くしてトレーニングすると:
• 特定の関節角度だけしか強くならない。
• 急にフルレンジの動作をした時に、関節が耐えられずケガしやすくなる。
例えば:
• 浅いスクワットばかりやっていると、ジャンプや深いしゃがみ動作で膝を痛めやすい。
• 腕を途中までしか伸ばさないベンチプレスを続けると、肩の可動域が狭くなりケガしやすくなる。
◆ 可動域を広く使うと関節が強くなる
フルレンジでトレーニングすると:
• 関節のすべての角度で筋肉や靭帯が強くなる。
• 可動域が広くなり、柔軟性や可動性も向上する。
• 急な動きや予期しない動作でも、関節を守れる。
特にスポーツ選手や高齢者の場合、可動域の広いトレーニングは怪我の防止に直結します。

4. 筋肉のバランスを整える(歪みを防ぐ)
◆ 可動域の狭さが「筋肉の偏り」を生む
可動域が狭いと、特定の筋肉だけが発達しやすくなります。例えば:
• 浅いスクワット → 太もも前側だけ発達。お尻やハムストリングスは発達しない。
• ハーフレンジのアームカール → 上腕二頭筋の中央部だけ発達し、腕の形がいびつになる。
結果的に身体のバランスが崩れ、関節痛や姿勢不良を引き起こす可能性があります。
◆ フルレンジで鍛えると筋肉バランスが整う
フルレンジでトレーニングすれば:
• 筋肉全体に均等な負荷がかかる。
• 関節周辺の小さな筋肉(インナーマッスル)まで鍛えられる。
• 美しい筋肉の形やバランスが作れる。
結果として、健康的でバランスの取れた身体を作りやすくなります。

5. 柔軟性と可動性を向上させる
◆ 可動域が狭いと身体が固くなる
可動域を狭くして筋トレを続けると、徐々に関節の可動性や柔軟性が低下します。結果:
• 肩や股関節が固くなる。
• 姿勢が悪くなる。
• スポーツや日常動作での可動性が低下する。
◆ 可動域を最大化すると柔軟性も向上
フルレンジでトレーニングすれば:
• 筋肉と関節が柔らかくなる。
• 姿勢や動作範囲が広がる。
• 怪我のリスクが激減する。
特に「可動域+筋力」を兼ね備えた身体は、あらゆる場面で強さと柔軟性を発揮できます。
投稿者プロフィール

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MMTパーソナルジム静岡代表
【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト
【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位
【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。
・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。
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