糖質制限 vs 脂質制限、結局どっちが痩せる?科学的見解とあなたに合うダイエット法の見つけ方
「ダイエットを始めよう!」
そう決意したとき、多くの方が一度は迷うであろう大きな分かれ道。
それが、「糖質制限ダイエット」と「脂質制限(ローファット)ダイエット」、一体どちらを選ぶべきか?という問題です。
テレビや雑誌、インターネット上では「糖質制限で10kg痩せた!」「いや、健康的に痩せるなら脂質制限だ!」といった情報が溢れており、一体どれが自分にとっての正解なのか、混乱している方も多いのではないでしょうか。
こんにちは!MMTパーソナルジム静岡のパーソナルトレーナー、早川です。
私たちは日々、多くのお客様のダイエットやボディメイクをサポートしていますが、この「糖質制限 vs 脂質制限」論争は、カウンセリングで最もよくいただくご質問の一つです。
結論から申し上げます。
この論争に、万人にとっての絶対的な正解はありません。
しかし、あなた個人にとっての「最適解」は、科学的根拠とあなたのライフスタイルや体質を基に見つけ出すことが可能です。
この記事では、パーソナルジムのトレーナーとして、数々のダイエットを成功に導いてきた知見を基に、以下の点を徹底的に解説していきます。
- そもそもダイエットで痩せる大原則とは?
- 「糖質制限」と「脂質制限」それぞれのメカニズム、メリット・デメリット
- 「結局どっちが痩せるのか?」という疑問に対する科学的な答え
- 【自己診断】あなたに向いているのはどっち?向き不向きチェックリスト
- なぜ自己流は失敗しやすく、パーソナルトレーナーが必要なのか
この記事を読み終える頃には、あなたは情報に惑わされることなく、自分に合ったダイエット法を選択するための「コンパス」を手にしているはずです。この記事にはあなたの人生最後のダイエットを成功させるための重要な知識が詰まっています。ぜひ最後までお付き合いください。
目次

1.全てのダイエットに共通する「絶対法則」
糖質制限や脂質制限の話に入る前に、絶対に忘れてはならないダイエットの大原則についてお話しします。それは「アンダーカロリー」です。
アンダーカロリーとは、「摂取カロリー < 消費カロリー」の状態を指します。
どんなに優れたダイエット法を実践しても、この原則が守られていなければ体重が減ることはありません。逆に言えば、アンダーカロリーの状態を作りさえすれば、体はエネルギー不足を補うために体脂肪を分解し始め、結果として体重は減少します。
糖質制限も脂質制限も、この「アンダーカロリー」を達成するためのアプローチ(手段)の違いに過ぎない、ということをまずはしっかりと理解しておきましょう。
では、それぞれの手段がどのような特徴を持っているのか、詳しく見ていきましょう。

2.【糖質制限ダイエット】短期決戦型のエース!そのメカニズムと注意点
糖質制限は、その名の通り、食事から糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を制限するダイエット法です。ご飯、パン、麺類、芋類、果物、砂糖などを控える代わりに、肉、魚、卵、チーズなどのタンパク質や脂質は比較的自由に摂取できます。
【糖質制限で痩せるメカニズム】
- インスリン分泌の抑制:糖質を摂取すると血糖値が上昇し、それを下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは別名「肥満ホルモン」とも呼ばれ、血中の糖を脂肪細胞に取り込んで蓄える働きがあります。糖質の摂取を制限することで、インスリンの過剰な分泌を防ぎ、脂肪が蓄積されにくい状態を作ります。
- ケトーシス状態への移行:体内の糖質が枯渇すると、体はエネルギー源を糖質から「脂肪」へと切り替えます。肝臓で脂肪が分解されて「ケトン体」という物質が作られ、これが脳や筋肉のエネルギーとして使われる状態を「ケトーシス」と呼びます。つまり、体脂肪を直接燃焼してエネルギーにするモードに切り替わるのです。
【糖質制限のメリット】
- 短期的な体重減少効果が高い:体内のグリコーゲン(糖質)が減少すると、それに伴い多くの水分が排出されるため、開始後すぐに「ストン」と体重が落ちやすいのが特徴です。これが初期のモチベーション維持に繋がります。
- 空腹感を感じにくい:タンパク質や脂質は消化に時間がかかり腹持ちが良いため、カロリー制限にありがちな空腹感に悩まされにくいです。
- 食後の眠気が起こりにくい:血糖値の乱高下が少ないため、ランチ後の急激な眠気などが改善されることがあります。
【糖質制限のデメリットと危険性】
- 食物繊維不足と便秘:主食である穀類や芋類を制限することで、食物繊維の摂取量が減りがちです。結果として便秘に悩む方が非常に多いです。
- 口臭・体臭(ケトン臭):ケトン体が増えることで、アセトンのような甘酸っぱい独特の臭い(ケトン臭)が発生することがあります。
- トレーニングパフォーマンスの低下:特に高強度な筋力トレーニングでは、瞬発的なエネルギー源である糖質が不可欠です。糖質が枯渇していると、最大筋力が発揮しにくくなったり、集中力が続かなくなったりする可能性があります。
- 長期的な安全性への懸念:極端な糖質制限を長期間続けた場合の健康への影響については、まだ科学的なコンセンサスが得られていない部分もあります。
- 食事の選択肢の制限:外食や付き合いの席で、食べられるものが極端に限られてしまうことがあります。
【パーソナルジム視点での糖質制限】
糖質制限は、正しく行えば非常に強力なダイエット法です。しかし、自己流で行うと「ただ糖質を抜くだけ」になりがちで、必要なタンパク質や良質な脂質、ビタミン・ミネラルが不足し、筋肉を失い、不健康に痩せてしまうリスクが非常に高いです。
私たちパーソナルトレーナーは、糖質制限を行うお客様に対して、以下のようなサポートを行います。
- PFCバランスの緻密な計算:糖質を制限する分、タンパク質と脂質をどれくらい摂取すべきか、お客様の基礎代謝や活動量に合わせて正確に設定します。
- 食物繊維やビタミンの摂取指導:葉物野菜やキノコ類、海藻類、サプリメントなどを活用し、便秘や栄養不足を防ぎます。
- トレーニング内容の調整:糖質制限中は高重量・高回数のトレーニングが困難になる場合があるため、フォームの質を重視したり、セット間の休憩を調整したりと、最適なプログラムを組みます。
- MCTオイルなどの活用:エネルギーになりやすい中鎖脂肪酸(MCTオイル)などを活用し、トレーニングの質を維持するアドバイスも行います。
糖質制限は、専門家の管理下で短期集中で行うことで、そのメリットを最大限に引き出せる方法と言えるでしょう。

3.【脂質制限(ローファット)】王道をゆく継続型の優等生
脂質制限は、三大栄養素の中で最もカロリーが高い「脂質」(1gあたり9kcal)の摂取を抑えることで、アンダーカロリーを目指すダイエット法です。揚げ物や炒め物、バター、生クリーム、脂身の多い肉などを避け、調理法を「蒸す」「茹でる」「焼く」などに工夫します。
糖質(1gあたり4kcal)やタンパク質(1gあたり4kcal)は比較的しっかりと摂取できるため、ご飯やパン、そばなども食べられます。
【脂質制限で痩せるメカニズム】
メカニズムは非常にシンプルです。三大栄養素の中で最もカロリーが高い脂質を制限することで、食事全体の総摂取カロリーを効率的に減らすことができます。
例えば、豚バラ肉(脂質が多い)をヒレ肉(脂質が少ない)に変えるだけで、同じ量を食べても大幅なカロリーカットが可能です。
【脂質制限のメリット】
- 食べられる食材の幅が広い:炭水化物を摂取できるため、食事の満足感を得やすく、和食中心の食生活を送っている方には馴染みやすいです。
- トレーニングのパフォーマンスを維持しやすい:筋トレの主要なエネルギー源である糖質を確保できるため、トレーニングの強度や質を落とさずにダイエットを進めることができます。ボディビルダーやフィジーク選手も、減量期には脂質制限を選択することが多いです。
- 長期的に継続しやすい:食事の制限が比較的緩やかで、外食でも定食屋などを選べば対応しやすいため、ストレスが少なく続けやすいのが特徴です。
【脂質制限のデメリット】
- 脂溶性ビタミンの吸収不足:ビタミンA, D, E, Kなどの脂溶性ビタミンは、脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まります。極端な脂質制限は、これらのビタミン不足を招き、肌荒れなどの原因になることがあります。
- ホルモンバランスの乱れ:脂質(特にコレステロール)は、性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)の材料になります。過度な制限はホルモンバランスを崩し、男性の場合は筋肉がつきにくく、女性の場合は生理不順などを引き起こすリスクがあります。
- 腹持ちが悪く、空腹感を感じやすい場合も:脂質が少ない食事は消化が早く、人によってはすぐにお腹が空いてしまうことがあります。
【パーソナルジム視点での脂質制限】
脂質制限は、健康的に、そして長期的に体を変えていきたいと考える方に非常に適した方法です。しかし、ここでも自己流の落とし穴があります。「脂質は悪」と決めつけて、ナッツや魚の油まで完全にカットしてしまう方がいますが、これは大きな間違いです。
私たちトレーナーは、脂質制限を行うお客様に以下の点を重視して指導します。
- 「良質な脂質」の摂取を推奨:体内で作れない必須脂肪酸であるオメガ3(青魚、アマニ油、えごま油など)や、オメガ9(オリーブオイル、アボカドなど)は、ホルモンバランスや細胞膜の健康に不可欠です。これらを適切な量、摂取するよう指導します。
- PFCバランスの最適化:ただ脂質を減らすだけでなく、筋肉の材料となるタンパク質を十分に確保し、エネルギー源となる炭水化物の量を活動量に合わせて調整します。このバランスこそが、筋肉を落とさず脂肪だけを燃やす鍵となります。
- 調理法の工夫をアドバイス:食材選びだけでなく、「焼く」「蒸す」「茹でる」といった調理法や、テフロン加工のフライパンを使って油をカットする方法など、具体的なテクニックをお伝えします。
脂質制限は、正しい知識を持ってPFCバランスを管理することで、筋トレ効果を最大化しながら着実に体を変えていける王道のダイエット法です。

4.【科学的見解】結局、糖質制限と脂質制限はどっちが痩せるのか?
ここまで両者の特徴を見てきましたが、最も気になるのは「結局、どちらがより効果的に痩せるのか?」という点でしょう。
この疑問に答える有名な研究があります。2018年にスタンフォード大学が発表した「DIETFITS研究」です。この研究では、609人の肥満の成人を「健康的な低炭水化物(糖質制限)グループ」と「健康的な低脂肪(脂質制限)グループ」にランダムに分け、12ヶ月間にわたって体重の変化を追跡しました。
その結果は、非常に興味深いものでした。
12ヶ月後の平均体重減少量は、両グループ間で統計的に有意な差はなかったのです。(糖質制限グループ:-6.0kg、脂質制限グループ:-5.3kg)
この研究が示唆するのは、「どちらのダイエット法が優れているか」ということよりも、「個人が健康的な食事を意識し、それを継続できるかどうか」が成功の鍵であるということです。
つまり、科学的には「こっちが絶対に痩せる!」という答えはなく、どちらの方法を選んでも、アンダーカロリーと継続さえできれば結果は出る、ということです。
5.【パーソナルジム式】あなたに合うのはどっち?向き不向きチェックリスト
科学的に優劣がないのであれば、選ぶべき基準は「あなたのライフスタイル、食の好み、性格に合っていて、続けやすいのはどちらか?」という点に尽きます。
以下のチェックリストで、あなたがどちらのタイプに近いか診断してみましょう。
【糖質制限が向いている可能性が高い人】
✅ ご飯やパン、麺類がないとダメ!というタイプではない
✅ 肉、魚、卵、チーズなど、タンパク質や脂質が豊富な食事が好き
✅ とにかく短期間で目に見える結果を出して、モチベーションを高めたい
✅ 付き合いの外食は、焼肉やステーキ、居酒屋などが多い
✅ 食後に強い眠気に襲われることがよくある
✅ 意思が強く、一度決めたルールをストイックに守るのが得意
【脂質制限が向いている可能性が高い人】
✅ ご飯やパン、お餅、和菓子などが大好きで、やめられない
✅ 揚げ物やクリーム系のこってりした料理は、比較的我慢できる
✅ 筋トレが大好きで、トレーニングのパフォーマンスは絶対に落としたしたくない
✅ 外食は、和食の定食屋やお寿司屋さんなどを選ぶことが多い
✅ コツコツと時間をかけて、着実に体を変えていきたい
✅ 厳しい食事制限はストレスになりやすく、挫折しやすい
いかがでしたか?
あくまで簡易的な診断ですが、ご自身の傾向を把握する一助になったかと思います。
ただし、自己判断で極端な食事制限を始めるのは危険です。特に、糖尿病や腎臓病などの持病をお持ちの方は、必ず事前に医師に相談してください。
6.最高のダイエットは「あなただけのオーダーメイド」
ここまで糖質制限と脂質制限について詳しく解説してきました。
どちらの方法にもメリット・デメリットがあり、科学的には長期的な効果に大差はありません。重要なのは、あなたの生活に無理なく組み込めて、心身ともに健康的に「継続できる」方法を選ぶことです。
そして、ここにこそパーソナルジムの真価があります。
自己流ダイエットが失敗しやすいのは、
「情報が多すぎて、自分に合う方法がわからない」
「始めてみたものの、本当にこのやり方で合っているのか不安」
「停滞期が来たときに、どうしていいかわからず諦めてしまう」
「一人だと、つい自分に甘くなってしまう」
といった壁にぶつかるからです。
私たちパーソナルトレーナーは、単にトレーニングを教えるだけではありません。
- 徹底したカウンセリング:あなたの食生活、生活リズム、運動経験、性格、そして最終的な目標を深くヒアリングし、糖質制限、脂質制限、あるいはその両方を組み合わせた「カーボサイクリング」のような、あなただけの最適なプランを設計します。
- 正しい知識と軌道修正:日々の食事報告を通じて、栄養バランスをチェックし、間違った方向に進んでいればすぐに軌道修正します。停滞期が来れば、その原因を多角的に分析し、具体的な打開策を提案します。
- モチベーションの維持:何よりも、私たちはあなたの挑戦を一番近くで応援する最高のパートナーです。くじけそうになった時、不安になった時に、科学的根拠に基づいたアドバイスと精神的なサポートで、あなたをゴールまで導きます。
自己流で悩み、時間を無駄にしてしまうのは、本当にもったいないことです。
その時間とエネルギーを、専門家のサポートのもとで、最短距離で結果を出すために使ってみませんか?
もしあなたが「今度こそ本気で体を変えたい」「自分に合った正しいダイエット法を知りたい」とお考えなら、ぜひ一度、MMTパーソナルジム静岡の無料カウンセリングにお越しください。
ネットの情報だけでは得られない、あなたのための「答え」を、一緒に見つけましょう。
投稿者プロフィール

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MMTパーソナルジム静岡代表
【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト
【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位
【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。
・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。