パーソナルトレーナーが教える筋トレ中の呼吸法
静岡市のパーソナルジムに通われている皆様、こんにちは!
今回は筋トレにおける呼吸法について、パーソナルトレーナーが種類やメリット・デメリットについて解説します。
目次
【1】標準呼吸(リズミカル呼吸):基本的な呼吸法
標準呼吸は、最も一般的で初心者から上級者まで幅広く活用される呼吸法です。以下のタイミングで呼吸を行います。
• 力を入れるとき(挙上・押す動作):息を吐く
• 力を抜くとき(降ろす・引く動作):息を吸う
例:ベンチプレスの場合
• バーベルを下ろす → 息を吸う
• バーベルを押し上げる → 息を吐く
このリズムを守ることで、動作中に体内の酸素が安定して供給され、血圧の急上昇を抑えつつ、筋肉への酸素供給が効率的に行えます。
メリット
• 酸素供給が安定し、疲労しにくい
• 血圧の急上昇を防ぎ、安全性が高い
• フォームの安定につながる
デメリット
• 最大筋力が発揮しづらい
• 高重量のトレーニングでは負荷が分散しやすい
おすすめのシチュエーション
• 中重量や高回数のトレーニング
• 有酸素運動や自重トレーニング
【2】バルサルバ呼吸法:最大筋力発揮に効果的な呼吸法
バルサルバ呼吸法は、瞬間的に強い力を発揮するために使われる呼吸法です。力を入れる瞬間に息を止めて**腹圧(腹腔内圧)**を最大化することで、体幹を安定させ、より重い重量を扱えるようになります。
手順
1. セット前に大きく息を吸い込み、お腹に力を込める
2. 挙上動作中は息を止めたまま力を入れる
3. 動作が完了したら息を一気に吐き出す
例:デッドリフトの場合
• バーベルを持ち上げる直前 → 息を吸い、腹圧をかける
• バーベルを持ち上げる間 → 息を止める
• 立ち上がったら → 息を吐く
メリット
• 最大筋力を発揮しやすくなる
• 腹圧が高まり、体幹が安定する
• 腰椎が保護され、ケガのリスクが軽減される
デメリット
• 血圧が急上昇するため、心臓への負担が大きい
• 長時間の息止めは危険が伴い、めまいや失神のリスクがある
おすすめのシチュエーション
• デッドリフト、スクワット、ベンチプレスなどの高重量トレーニング
• 最大筋力の発揮が求められる場面
【3】ファイアーブリージング:瞬間的な爆発力を引き出す呼吸法
ファイアーブリージングは、短く速い呼吸を繰り返すことで体内の酸素供給を最大化し、瞬間的なパワーを引き出す方法です。特に「最後の1回を絞り出す」といった場面で役立ちます。
手順
1. セット直前に5〜10回ほど短く速い呼吸を繰り返す
2. 挙上の瞬間に強く息を吐く
3. 動作終了後にゆっくり呼吸を整える
例:スクワットの場合
• 挙げる前に「スッ、スッ、スッ」と速く短い呼吸を繰り返す
• 挙げる瞬間に強く息を吐く
• 動作終了後はゆっくり呼吸を整える
メリット
• 爆発的なパワーを引き出せる
• ラスト1回の粘りや踏ん張りに効果的
デメリット
• 過呼吸のリスクがある
• 長時間の使用には不向き
おすすめのシチュエーション
• デッドリフト、スクワット、ベンチプレスの最終セット
• 「あと1回」が必要な場面
【4】ディアフラム呼吸(腹式呼吸):疲労回復と持久力向上に効果的な呼吸法
ディアフラム呼吸は、横隔膜を意識して深く呼吸する方法で、インターバル中の回復や持久系トレーニングに効果的です。
手順
1. 鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を膨らませる
2. 口からゆっくり息を吐き出し、お腹をへこませる
3. インターバル中や有酸素運動中に繰り返す
メリット
• 酸素の取り込み効率が向上し、回復が早くなる
• 心拍数を整え、次のセットでのパフォーマンス向上に貢献
デメリット
• 高重量トレーニング時には不向き
おすすめのシチュエーション
• セット間の休憩中
• ランニングやHIITなどの持久系トレーニング
【5】状況別のおすすめ呼吸法まとめ
• 高重量MAX挑戦 → バルサルバ呼吸
• 中重量・高回数のトレーニング → 標準呼吸
• ラスト1回を粘りたいとき → ファイアーブリージング
• セット間の回復 → ディアフラム呼吸
【6】呼吸法の選び方のポイント
• 安全第一:バルサルバ呼吸は高い効果がありますが、血圧上昇のリスクがあるため、初心者はまず標準呼吸から始めるのが良いでしょう。
• 種目と目的に合わせる:筋肥大や最大筋力アップが目的ならバルサルバ呼吸が効果的、持久力向上ならディアフラム呼吸が適しています。
• 自分の体調や感覚を意識する:無理に呼吸を制限するとパフォーマンス低下やケガにつながるため、常に自分の体の反応に注意を払いましょう。
投稿者プロフィール

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MMTパーソナルジム静岡代表
【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト
【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位
【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。
・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。
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