あなたの努力を無駄にしない!「速筋」と「遅筋」の鍛え方の違いをプロが徹底解説
「たくましい体になりたいのに、いくら走っても体が大きくならない…」
「ダイエットのために筋トレを始めたら、逆に足が太くなった気がする…」
実は、私たちの筋肉は一種類ではなく、大きく分けて「速筋(そっきん)」と「遅筋(ちきん)」という2つのタイプの筋繊維で構成されています。そして、この2つの筋肉は、まるで短距離選手とマラソン選手のように、得意なことや効果的な鍛え方が全く異なるのです。
こんにちは!MMTパーソナルジム静岡です。
私たちは日々、お客様の「なりたい体」を叶えるため、一人ひとりの目標や体質に合わせて最適なトレーニングプログラムを設計しています。その根幹にあるのが、今回お話しする「速筋と遅筋の戦略的な使い分け」です。
この記事を読めば、あなたは以下のことが分かります。
- 速筋と遅筋の根本的な違いと、それぞれの役割
- あなたの目標(筋肥大、ダイエット、持久力UPなど)に応じた正しいアプローチ法
- 自己流トレーニングが非効率になりがちな理由
- パーソナルジムがなぜ最速で結果を出せるのか、その秘密
少し長い記事ですが、あなたのこれからのトレーニング効果を最大化するための知識が詰まっています。あなたの貴重な努力と時間を無駄にしないためにも、ぜひ最後までお付き合いください。
目次

第1章:すべての基本。「速筋」と「遅筋」とは一体何者か?
まず、基本のキからおさえましょう。私たちの筋肉は、「筋繊維」という非常に細い細胞の束でできています。この筋繊維には、性質の異なる2つのタイプが存在します。それが「速筋繊維」と「遅筋繊維」です。
瞬発力の「速筋(そっきん)」- ボディビルダーやスプリンターの筋肉
速筋は、その名の通り「速く、大きな力を瞬発的に発揮する」のが得意な筋肉です。
- 別名:白筋(はっきん)。筋肉中のミオグロビン(酸素を運ぶタンパク質)が少ないため白っぽく見えます。魚で例えるなら、ヒラメやカレイの身が白いのは、瞬発的に動くための速筋が多いためです。
- 特徴:
- 収縮スピードが速い
- 発揮できるパワーが大きい
- 疲れやすく、持久力がない
- エネルギー源:筋肉内の「糖質(グリコーゲン)」速筋は、活動のためのエネルギー源として、筋肉内にあらかじめ貯蔵されている「糖質(グリコーゲン)」を主に使用します。脂肪を燃焼させる遅筋とは異なり、すぐに使える燃料を筋肉内に持っているのです。
- 見た目への影響:筋肥大しやすいという最大の特徴があります。トレーニングによって繊維が太くなりやすく、いわゆる「ムキムキ」の体や、メリハリのあるボディラインを作る上で主役となる筋肉です。
- 使われる場面:
- ウェイトトレーニングで重いバーベルを持ち上げる
- 100mダッシュで全力疾走する
- 高くジャンプする
持久力の「遅筋(ちきん)」- マラソンランナーの筋肉
一方の遅筋は、「ゆっくり、小さな力を長時間にわたって発揮し続ける」のが得意な筋肉です。
- 別名:赤筋(せっきん)。ミオグロビンやミトコンドリア(酸素を使ってエネルギーを生み出す工場)を多く含むため赤っぽく見えます。回遊魚であるマグロの身が赤いのは、長時間泳ぎ続けるための遅筋が発達しているからです。
- 特徴:
- 収縮スピードが遅い
- 発揮できるパワーは小さい
- 疲れにくく、持久力に優れる
- エネルギー源:「酸素」と「脂質(脂肪)」を主なエネルギー源とします。脂肪を燃焼させてエネルギーにするため、ダイエットにも深く関わっています。
- 見た目への影響:筋肥大しにくい性質を持っています。そのため、遅筋を鍛えても筋肉がムキムキになることはなく、むしろ体全体を引き締め、しなやかなラインを作るのに役立ちます。
- 使われる場面:
- マラソンや長距離ウォーキング
- 姿勢を維持する(立っている、座っているだけでも使われています)
- サイクリングや水泳を長時間続ける
あなたの筋肉はどっちのタイプ?
「じゃあ、自分の体は速筋と遅筋、どっちが多いの?」と気になりますよね。
実は、この速筋と遅筋の割合は、生まれつき遺伝である程度決まっています。陸上選手でも、生まれながらに短距離に向いている選手と長距離に向いている選手がいるのはこのためです。
しかし、ここで諦める必要は全くありません。なぜなら、トレーニングによって、今ある筋肉の性質をある程度変えたり、狙った方の筋肉を重点的に発達させたりすることが可能だからです。
特に「中間筋(Type IIa)」と呼ばれる、速筋と遅筋の中間的な性質を持つ筋繊維は、トレーニング次第で速筋寄りにも遅筋寄りにも変化します。この事実こそが、私たちがトレーニングで体を変えられる大きな理由の一つなのです。
第2章:あなたの「なりたい体」はどっち?目的別トレーニング戦略
速筋と遅筋の違いが分かったところで、いよいよ本題です。あなたの目標を達成するためには、どちらの筋肉にアプローチすべきでしょうか?
ここからは、パーソナルジムで私たちが実際にお客様の目標に合わせてプログラムを組む際の考え方をご紹介します。
目標1:筋肉を大きくしたい!メリハリのあるボディラインを手に入れたい!【速筋アプローチ】
男性であれば「たくましい胸板や腕」、女性であれば「キュッと上がったお尻や引き締まった背中」など、筋肉をつけて体にメリハリを出したい場合、メインターゲットは「速筋」です。
速筋を効率よく刺激し、筋肥大を促すためのトレーニング原則は**「高負荷・低回数」**です。
- 重量設定の目安:1セットで6回~12回がギリギリ持ち上がる重さ(専門用語で6RM~12RMと言います)。「もう上がらない!」という強い刺激を筋肉に与えることが重要です。
- インターバル(休憩時間):セット間は1分~3分と長めに取ります。速筋は疲れやすいため、しっかりと回復させてから次のセットに臨むことで、質の高いトレーニングが可能になります。
- トレーニング種目例:
- フリーウェイト:ベンチプレス、スクワット、デッドリフトなど、高重量を扱える種目
- マシン:チェストプレス、レッグプレスなど、安全に高負荷をかけられる種目
- 食事戦略:速筋のエネルギー源である「糖質」と、筋肉の材料となる「タンパク質」の摂取が不可欠です。特にトレーニング前後に糖質(おにぎり、バナナなど)とタンパク質(プロテインなど)を補給することで、筋肥大の効果を最大化できます。
【自己流の落とし穴】
自己流でトレーニングをされている方が陥りがちなのが、「ケガが怖いから」と軽い重量で何十回もやってしまうケース。これは後述する遅筋へのアプローチとなり、筋肥大には繋がりません。正しいフォームで適切な高重量を扱うことが、速筋を育てる鍵なのです。
目標2:体脂肪を燃やして引き締めたい!マラソンを完走したい!【遅筋アプローチ】
「体重を落としてスリムになりたい」「長時間の運動に耐えられる体力が欲しい」という場合、メインターゲットは**「遅筋」**になります。
遅筋を活性化させ、脂肪燃焼と持久力向上を狙うトレーニング原則は「低負荷・高回数」です。
- 重量設定の目安:1セットで15回~25回以上、余裕をもってこなせる軽い重量。もしくは自重(自分の体重)で行います。筋肉を「追い込む」というよりは、「動かし続ける」意識が大切です。
- インターバル(休憩時間):セット間は30秒から1分と短めに設定します。心拍数をある程度維持したまま行うことで、有酸素運動の効果も高まります。
- トレーニング種目例:
- ウェイトトレーニング:軽いダンベルを使ったアームカールやショルダープレスなど
- 自重トレーニング:腕立て伏せ、腹筋、スロースクワットなど
- 有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など
- 食事戦略:遅筋は脂肪をエネルギー源とするため、体脂肪を減らすには摂取カロリー<消費カロリーの大原則を守ることが最も重要です。ただし、極端な食事制限は筋肉の分解を招くため、バランスの取れた食事の中で、良質な脂質(アボカド、ナッツ、魚の油など)も適度に摂ることを意識しましょう。
【自己流の落とし穴】
ダイエット目的で筋トレを始めた女性が、「足が太くなった」と感じるケースがあります。これは、重すぎる負荷設定で速筋ばかりを刺激してしまった結果かもしれません。引き締めたい部位には、低負荷・高回数でアプローチするのがセオリーです。

第3章:パーソナルジムだからできる!究極の「ハイブリッド・トレーニング」
さて、ここまで読んで「なるほど、じゃあ自分は速筋(or 遅筋)だけ鍛えればいいんだ!」と思われたかもしれません。しかし、本当に理想の体を手に入れるための答えは、もう少し先にあります。
最高の体は、速筋と遅筋、両方へのアプローチを組み合わせることで作られます。
例えば、ダイエット目的の女性を考えてみましょう。
- 遅筋アプローチ:有酸素運動や高回数のトレーニングで、全身の脂肪を燃焼させる。
- 速筋アプローチ:同時にお尻や背中といった、メリハリを出したい部位には高負荷のトレーニングを取り入れる。
これにより、「ただ痩せて細い体」ではなく、「脂肪が少なく、出るところは出て、締まるところは締まった、健康的で美しい体」を目指すことができるのです。
これは男性のボディメイクでも同じです。大きな筋肉を作る速筋トレーニングをメインにしつつ、お腹周りを引き締めるための遅筋アプローチ(腹筋の高回数トレーニングや有酸素運動)を組み合わせることで、より洗練された「細マッチョ」な体が完成します。
なぜパーソナルジムが最適なのか?
この「ハイブリッド・トレーニング」こそ、私たちパーソナルトレーナーの腕の見せ所であり、パーソナルジムに通う最大の価値の一つです。
- 緻密なプログラム設計:
お客様一人ひとりの目標、体力レベル、骨格、生活習慣を全て考慮し、「どの部位に、どのタイミングで、速筋と遅筋のどちらにアプローチするか」という緻密な戦略を立てます。これを「ピリオダイゼーション」と呼び、計画的にトレーニング内容を変化させることで、停滞を防ぎ、効果を最大化します。 - 正しいフォームの徹底指導:
「スクワット」一つとっても、フォームの少しの違いで効く筋肉は全く変わります。お尻の速筋を狙うのか、太もも全体の持久力を高めるのか。狙った筋繊維に的確に刺激を入れるための正しいフォームを、マンツーマンで徹底的に指導します。これは動画や本だけでは決して得られない価値です。 - リアルタイムでの調整:
その日のコンディションや疲労度に合わせて、リアルタイムで負荷や回数、種目を微調整します。「今日は少し重めにして速筋に強い刺激を入れましょう」「昨日の疲れが残っているようなので、今日は軽めにして血流を促すような動きを中心にしましょう」といった判断ができるのは、専門知識を持ったトレーナーが側にいるからこそです。
自己流では、どうしても自分の得意なトレーニングや好きな種目に偏りがちです。その結果、「頑張っているのに理想の体になれない」というジレンマに陥ってしまうのです。

第4章:【実践編】速筋と遅筋を意識した1週間のトレーニングメニュー例
ここでは、具体的なイメージを持っていただくために、トレーニングメニューの一例をご紹介します。
※あくまで一般的なモデルケースです。最適なメニューは個人差が大きいため、ご自身の体力に合わせて調整してください。
目標:全体的に引き締めつつ、ヒップアップでメリハリをつけたい女性
- 月曜日:下半身(速筋メイン)の日
- バーベルスクワット:8回 × 3セット(インターバル2分)
- 目的:お尻(大殿筋)と太ももの速筋を刺激し、ヒップアップと基礎代謝向上を狙う。
- ブルガリアンスクワット:左右10回 × 3セット(インターバル90秒)
- 目的:片足ずつ行うことで、よりお尻に集中して高負荷をかける。
- ヒップスラスト:12回 × 3セット(インターバル90秒)
- 目的:ヒップアップに最も効果的な種目の一つ。大殿筋をダイレクトに鍛える。
- バーベルスクワット:8回 × 3セット(インターバル2分)
- 水曜日:上半身&コア(遅筋メイン)の日
- ラットプルダウン(軽め):15回 × 3セット(インターバル60秒)
- 目的:背中全体を引き締め、美しい後ろ姿を作る。
- ダンベルショルダープレス(軽め):15回 × 3セット(インターバル60秒)
- 目的:肩周りを引き締め、しなやかなラインを作る。
- プランク:60秒キープ × 3セット(インターバル30秒)
- 目的:体幹の遅筋を鍛え、ぽっこりお腹の解消と姿勢改善を狙う。
- バイク(有酸素運動): 30分
- 目的:脂肪燃焼を促進する。
- ラットプルダウン(軽め):15回 × 3セット(インターバル60秒)
- 金曜日:全身サーキット(持久力UP&脂肪燃焼)の日
以下の種目を休憩なしで順番に行い、1周終わったら2分休憩。これを3周繰り返す。- 自重スクワット:20回
- 腕立て伏せ(膝つきでもOK):15回
- マウンテンクライマー: 40秒
- バーピー:10回
- 目的:心拍数を上げて全身の遅筋を使い、脂肪燃焼効果と心肺機能を一気に高める。
このように、曜日ごとに目的(速筋/遅筋)を分けることで、体は効率よく回復し、成長していきます。
当ジムでは、この基本モデルをベースに、お客様の反応を見ながら「この種目をこちらに変えましょう」「もう少しインターバルを短くしてみましょう」と、常に最適な形にカスタマイズし続けていきます。
まとめ:賢く鍛えて、最短で理想の体へ
今回は、「速筋」と「遅筋」という2つの筋肉の性質と、その戦略的な鍛え分けについてお話ししました。
- 速筋は瞬発力とパワーの筋肉。高負荷・低回数で鍛え、体を大きく、たくましくする。
- 遅筋は持久力の筋肉。低負荷・高回数で鍛え、体を引き締め、疲れにくくする。
- あなた
- そして、真に理想的な体を作るには、両方の筋肉を計画的に、バランスよく鍛える「ハイブリッド・トレーニング」が不可欠。
この複雑で奥深いトレーニングの世界を、一人で完璧にナビゲートするのは至難の業です。もしあなたが、「自己流のトレーニングで伸び悩んでいる」「最短ルートで結果を出したい」「自分の努力を100%成果に繋げたい」と本気で思うなら、ぜひ一度、私たちプロの力を頼ってみてください。
MMTパーソナルジム静岡の無料カウンセリングでは、あなたの現在の体の状態を分析し、あなたの「なりたい体」というゴールから逆算して、どのようなトレーニング戦略(速筋・遅筋アプローチ)が最適なのかを具体的にご提案させていただきます。
この記事が、あなたのトレーニングライフをより豊かにする一助となれば幸いです。
投稿者プロフィール

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MMTパーソナルジム静岡代表
【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト
【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位
【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。
・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。