パーソナルトレーナーが次回のトレーニング時に考慮するオーバーロードの原則とは

静岡市のパーソナルジムに通われている皆様、こんにちは!
今回はトレーニングの原則の1つ、オーバーロードの原則について説明致します。

オーバーロードの原則(過負荷の原則)とは、筋肉を成長させるためには、現在の筋力や体力のレベルを超える負荷(ストレス)をかける必要があるというトレーニングの基本原則。

同じ負荷でトレーニングを続けていると、筋肉がそれに適応して成長が停滞する。成長を促すためには、負荷を段階的に増やし、常に適度な刺激を与えることが重要という事です。

オーバーロードの原則の具体的な適用方法

1. 負荷(重量)を増やす

最もシンプルな方法 → ウェイトの重量を増やす
例:
• ベンチプレス 50kg × 10回 → 次のトレーニングで 52.5kg × 10回
• スクワット 80kg × 5回 → 82.5kg × 5回

ポイント:
• 2.5~5%ずつ増やす(一気に増やすとフォームが崩れる&怪我のリスク)
• フォームを維持できる範囲で重量アップする

2. 回数(レップ数)を増やす

同じ重量で回数を増やして負荷を高める
例:
• 50kgのベンチプレスを 10回 → 12回できるようにする
• 懸垂 8回 → 10回に増やす

ポイント:
• 10~12回できるようになったら重量を増やす(「漸進性の法則」との組み合わせ)

3. セット数を増やす

同じ重量・回数でセット数を増やす
例:
• 50kg × 10回 × 3セット → 50kg × 10回 × 4セット
• スクワット 100kg × 5回 × 3セット → 100kg × 5回 × 4セット

ポイント:
• セット数を増やすと筋持久力も向上
• 過剰にセット数を増やしすぎるとオーバートレーニングのリスク

4. トレーニングの頻度を増やす

週1回のトレーニングを週2回に増やす
例:
• 週1回の脚トレ → 週2回(例: 月曜と金曜)に増やす
• ベンチプレスを週1回 → 週2回に増やす

ポイント:
• 頻度を増やすと神経系の適応が早まり、筋力向上が加速
• ただし、筋肉の回復時間(48~72時間)を考慮することが重要

5. 可動域を広げる

より深く動作することで負荷を増やす
例:
• パーシャルスクワット(浅いスクワット) → フルスクワット
• ハーフベンチプレス → フルレンジのベンチプレス

ポイント:
• 可動域を広げることで、より多くの筋繊維を刺激できる
• フォームを崩さないように注意

6. 休憩時間を短縮する(密度を上げる)

インターバルを短縮し、筋肉への負荷を高める
例:
• ベンチプレス 60秒休憩 → 45秒休憩に短縮
• サーキットトレーニングを導入して休憩なしで行う

ポイント:
• 心肺機能向上にもつながる
• ただし、短縮しすぎるとパフォーマンスが低下

7.オーバーロードの原則と漸進性の原則の違い

オーバーロードの原則と漸進性の原則は、筋トレやフィットネスにおける成長を促すために重要な2つの原則ですが、内容や適用方法には違いがあります。それぞれの特徴を詳しく比較してみましょう。

オーバーロードの原則

オーバーロードの原則は、筋肉や体力の成長を促すためには、現在の筋力や体力のレベルを超える負荷をかける必要があるという原則です。これにより、身体は適応し、強くなります。
• 基本的な考え方: 筋肉に「新たな刺激」を与えるためには、現状の能力を超える負荷(重量・回数・セット数・頻度など)をかける必要がある。
• 適用方法:
• 重量を増やす(負荷)
• 回数やセット数を増やす
• 休憩時間を短縮する
• エクササイズの難易度を上げる
• 目的: 筋肉が「これまでのレベルでは足りない」と認識し、成長するために必要な刺激を与える。

漸進性の原則

漸進性の原則は、トレーニングの負荷を段階的に増加させていくことが、長期的な成長に繋がるという原則です。急激に負荷を増やすのではなく、体力や筋力の進歩に合わせて少しずつ負荷を増やしていく方法です。
• 基本的な考え方: トレーニングの負荷は段階的に増やすべきで、急激な負荷増加は怪我や過度の疲労を引き起こす可能性がある。
• 適用方法:
• 少しずつ負荷を増やす(重量・回数など)
• 一定の期間をかけてトレーニングを進める
• 体力の進歩に合わせて負荷を徐々に増加させる
• 目的: 怪我を防ぎながら、体力や筋力を段階的に増強する。

オーバーロードの原則 vs 漸進性の原則
• オーバーロードの原則は、筋肉に常に新しい刺激を与えるために「負荷を超える」ことを求めます。つまり、一定のレベルを超えるためには、ある時点で自分の能力を超える負荷が必要です。
• 漸進性の原則は、その負荷の増加を「段階的」に行うべきで、急激な増加ではなく、身体が順応できる範囲で負荷を増やしていくことを強調します。

違いのまとめ
• オーバーロードの原則: 常に現在の体力レベルを超える負荷をかけ、筋肉の適応を促す。
• 漸進性の原則: その負荷増加を急激に行わず、段階的に増加させることで、長期的な成長を実現する。

投稿者プロフィール

yuki hayakawa
yuki hayakawa
MMTパーソナルジム静岡代表

【所有資格】
・メンタルトレーニングスペシャリスト
・心理カウンセリングスペシャリスト
・スポーツフードスペシャリスト
・マインドフルネスコンサルタント
・メンタルヘルススペシャリスト
・ファスティングスペシャリスト

【経歴】
・トレーナー歴24年
・2023ベストボディ静岡大会モデル部門ファイナリスト
・2024年ベストボディ静岡大会モデル部門6位

【詳細】
・スポーツクラブでのインストラクター歴14年
フィットネス部門のトップとして活動。ダイエット指導やボディメイク以外にも生活習慣病予防プログラム、介護予防指導、スタジオプログラム、スイミング指導の経験も豊富。

・パーソナルジムでの代表トレーナー歴10年
クライアントには弁護士、医師、歯科医師、看護師、税理士、企業の代表取締役など多数おり、50代マラソン全国ランキング3位の方の指導も行っている。